年収金額によって手取りはどう変わるのか?

ご存知の方も多いかと思いますが、「年収=手取り(毎月の手取りの合算)」ではありません。給与から税金や社会保険料などが引かれて実際の手取り金額になりますが、年収金額や年齢などによって税率や社会保険料が変わってくるため、一概にいくらと言えないのが難しいところ。では年収に応じた手取り金額は、だいたいどのくらいになるのでしょうか?
■手取りのおさらい
「手取り」とは、給与として支給される金額に通勤手当を加えたものから、社会保険料・所得税・住民税を引いて算出されます。社会保険料の中には、健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険(40歳以上から)があります。この中でも所得税は、その名の通り「所得にかかる税金」となり、所得金額が高くなるほど税率も高くなっていく「累進課税」という制度が採用されています。税率の変化は以下の通りです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超~ | 45% | 4,796,000円 |
上記の表の通り、所得税率は5~40%の範囲になります。
それと比べて住民税は一律10%となります。内訳としては、市民税が一律6%、都道府県民税が一律4%となっています。
ちなみに通勤手当や交通費は、年収には含まれませんのでご注意を。
■実際の年収に応じた手取り金額目安
実際には社会保険料、税金の金額の変化によって、手取り金額は一概には言えないのですが、目安として各年収金額帯に応じた手取り金額を見て行きたいと思います。
●年収400万円の場合
アバウトな金額ではありますが、約280~300万円となります。サラリーマンの平均年収は400万円台と言われていますが、この層は全体の約20%という比率になっているようです。
●年収800万円の場合
こちらも約500~600万円となります。4分の1程度は税金などで引かれてしまうことになりますが、実はまだ800万円台の方は良いと言えます。先ほどの所得税率の表をもう一度見てみると、税率が一段階上がる年収900万円を超えると、年収と控除額の増額があまり変わらないため、年収アップの実感が湧きにくいと言われています。
●年収1,000万円の場合
900万円を超えて1,000万円まで到達すると、また少し年収増額の効果を実感できるようになります。手取りで言えば、約700~800万円となるでしょう。ちなみに労働人口全体の中で、年収1000万以上の人の割合は、3~4%と言われています。
■自分の正確な年収・手取り金額を知るためには?
毎月の給与は昔は手渡しだったようですが、今では銀行振込が当たり前。給料日当日は、給与明細を渡されるだけの方がほとんどでしょう。しかし給与明細を見ても、見るのは支給額だけという方も多いのではないでしょうか?給与明細には所得税、各種社会保険料などが記載されていると思いますので、一度じっくりと眺めてみてください。
また正確な年収額や手取り金額を知るためには、源泉徴収票を見れば分かります。正確には「給与所得の源泉徴収票」と言い、毎年12月か1月の給料日に給与明細と一緒に手渡されるものです。この源泉徴収票を見れば、年収、給与所得控除後の金額、源泉徴収税額(今年度納付する所得税額)などを確認することができます。
所得税は毎月給与天引きという形で支払っていますが、税額が決定するのは年末になってから。ですから毎月天引きされている金額は仮の金額です。そこで年末で多く払っていたのか、少なかったのかを確認し、多ければ還付され、少なければ追加徴収されるということになります。これが「年末調整」です。
■税金控除になる支出について
生命保険や地震保険などの各種保険、住宅ローンなどの支払いがある方は、控除証明書を提出することで控除金額が増えます。つまり還付金が多くなるということです。税金控除になる支出には他にも、寄付金控除やふるさと納税、確定拠出年金なども控除の対象になります。この場合は、確定申告が必要になると思いますので、ご自身で手続きを行ってください。ちなみに副業をされている方は、確定申告の際に申告漏れのないように売上や経費などを申告してくださいね。
いかがでしたでしょうか?税金や社会保険の仕組みは複雑なため、複雑な計算式は掲載しませんでしたが、大まかな手取り金額の目安にしてみてください。
おすすめ記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。